講演会「林原美術館コレクションの形成〜林原一郎と池田家」

今週末、林原美術館館長、谷一 尚 氏の講演会が行われます。

日時: 10月29日(土)13:30〜

講師: 谷一 尚(林原美術館長)

場所: 福島県立博物館講堂

申込不要・入場無料

池田家旧蔵の武家文化を伝える名品の数々を所蔵する林原美術館。そのコレクションは、岡山の実業家・林原一郎が集めたものです。

林原家は水飴の製造からはじまり、製菓の材料の製造などを行なっていました。
「カバヤのジューC」と聞いて懐かしいと思われる方もいらっしゃると思います。カバヤは1979年まで林原グループの一社として経営されていました。
カバヤが1946年に製造したキャラメルは、戦後の物資不足の中で貴重なお菓子として人気をえ、その後、皆さんにもお馴染みのお菓子を次々と世に送り出しました。

「黒塗竪矧胴具足(部分)」(江戸時代) 林原美術館蔵

戦前・戦中・戦後の林原家当主だった林原一郎は、プライベートでは、美術品の蒐集に熱意を注いだ人物でした。
岡山藩池田家旧蔵の名品を林原一郎が集めたことにより、岡山ゆかりの大切な文化財が、岡山を離れることなく今に伝わることになった功績はとても大きなものです
その他にも、中国や日本の優れた美術品、備前刀や備前焼など岡山で作られた美術品も蒐集対象としていました。
林原美術館のコレクションがどのように築かれたのか、岡山の文化事情に精通されている谷一館長のお話は、地域の文化を未来へつなぐ、起業家の文化的な社会貢献のあるべき姿にもつながります。

人気番組「開運 なんでも鑑定団」にも長く出演されている谷一館長の軽妙な語り口で、楽しく池田家のこと、林原家のこと、林原美術館をはじめ美術館と地域のことなど、裏話も交えて(?)お聞きできそうです。
是非ご来場ください。


谷一 尚(たにいち たかし)

東京大学文学部考古学科卒業後、同大大学院で学ぶ。東大文学博士。専門はオリエント美術。岡山市立オリエント博物館長を経て、2013年から林原美術館長。人気番組「開運 なんでも鑑定団」に初期から出演。